ST#270


HOU Aomori revolution

法 青森回帰



3 Figures with a built-in speaker

スピーカー内蔵人体彫刻3体

Installation at AOMORI Museum of art, JAPAN

青森県立美術館での展示  2006 



体内にサウンドシステムを内蔵し、

「ホォー」という京都の雲水独特の声を出し続ける。



「法」

これら3体の雲水像は、青森市を皮切りに、

金沢、京都、丸亀、神戸、名古屋を行脚し、

現在は長野県の開眼寺にて修行中である(注)。

行脚中は、予想に反して集金マシーンと化してしまい、

「アート」に払われたのか、「仏」に払われたのか、

日々集まるお布施を前に、

己のモラルが問われたのは言うまでも無い。


(週刊金曜日2006年2月3日号より 連載「珈琲破壊」004)

注:2008年からNYのコレクターの個人コレクションに入っています。




3 human body sculptures made of resin with a built-in speaker. a set of an article for itinerant Buddhist, a voice transmitting system.

The sculpture of the 3 Zen monks begs for alms by continuing uttering the voice of “HOU” from a speaker embedded inside of the body like a Kyoto's natural scene.

“HOU”means the existence of Buddha's instruction.

They had traveled with training in Aomori, Kyoto, Kagawa, Hyougo, Nagano and Nagoya, almost around JAPAN since 2000 to 2003

and then they had practiced asceticism in Zen-temple KAIGANJI in NAGANO since 2003 to 2006.

In 2006, they have returned to their first training place Aomori and they've gone to underground.

In 2007, they'll apear again in ZKM Karlsruhe Germany.


continue.......



     Angya 1, Aomori in Kids Art World 2000.

2000年に青森市内で開催された

「キッズ・アート・ワールド あおもり2000」展


会期中の16日間はすべて市内の違う場所にて展示。

高校生のいたずらによって、リアルな下半身が露にされ、

その向かいの店主が耐えられなくなり、警察へ通報される。

警察からは、「無断で道路を占拠する」

という道路交通法違反を見逃しているのだから、

きちんと見張りをつけるように」との指示を受ける。


写真のマクドナルドのお店は

’アートに理解有る’店長さんのお陰で、

すんなり店前の展示を承諾、それとは逆に

「お店のイメージと違う」という理由で拒否されたことも。





「法」


今回のプロジェクトの中核となったのが、「法」である。青森新町商店街を中心に、会期中毎日異なる場所へ移動して展示された。

この作品は、作家のコメントによれば、

「特に、私の地元、京都の風物詩の一つでもある『ホォー』と長く続く抑揚のある発声を繰り返しながら展開される托鉢は、

私の幼少時代の最大の疑問でもあり、一種のトラウマといっても良いかも知れない。

その『ホォー』は『法』のことであり、お経をあげているのでも何でもなく、法の存在(仏教の教え)を人々に知らせるだけのミニマルな法施行為である。

この法の廃れた現代において、彫刻という財施をきりつめた形で、『法』の存在を公に訴えたく思う。」とのことである。

「法」は等身大のFRPの人形に、托鉢僧の着衣(実物)を着せ、「ホォー(法)」という声を人形の体内に仕組まれたラジオに送信し、

問断なく声を出すようにしてある。

人形の顔は作家自身の顔をかたどりしたもので、京都の生人形の伝統をうけつぐ職人によって造形された。

声も作家自身の声を録音したものであり、これによって作家の分身的な性格をもつようになった。

本来は作家自身で行うべき行為を作家の分身たる作品が行うという発想は、自身の肉体を用いるのでもなく、

また作品にすべてを託すというのでもないやりかたで、批評性を信条とする彼の表現にとって不可欠な客観性を得るためには

絶妙の距離の置き方であるように思う。当初の予定では一体だったが、結局これが三体並ぶこととなった。

この作品への反応はさまざまだった。気味がわるいと頭から拒否反応を示す人もいれば、作品ですよと断ってもおがんでいく人もいた。

キッズアートの出品作と明示してあるにもかかわらず、お布施を入れていく人は多く、

「アート」であることなど、イメージのもっている力に比べればまことに微々たるものにすぎないことを痛感させられる結果となった。

池田享学芸員による「これはアートではない?」(「キッズ・アート・ワールド あおもり2000」展カタログ)より抜粋。




Angya 2 Kyoto  

京都行脚

Dec,2000  


ギャラリーそわか

Gallery Sowaka, Kyoto


京都、東寺の横に位置する画廊での展示。

東寺は禅寺ではないが、「弘法さん」の日に

托鉢に来るお坊さんとのニアミスがあった。



Angya 4 Hyougo  

兵庫行脚

Sep,2001

ストリートギャラリー

Street Gallery, Kobe


神戸のウィンドーギャラリーでのインスタレーション。

会期中、「展示中止 」を求める近隣住民が、

ギャラリーへ押しかけたという。

オーナーでありアーチストの窪田順さん曰く、

「近隣住民がまとまった最初で最後」とのこと。



Angya 6 Kanazawa 

金沢行脚

Apr,2002  

金沢市民芸術村

Kanazawa Citizen's Art Center



南淳史ディレクターの人脈に甘え、

演劇舞台美術のプロの協力にて、

金沢市民芸術村の高さをフル活用した展示。

暗闇の中、空中から舞い降りてくるような

インスタレーション。




2003年から2006年にかけて、

住職、柴田文啓氏に甘え、

長野県・開眼寺において、

住み込みの修行へ。

参拝者からのお布施は

住職のアフガニスタン支援へ

使って頂きました(微々たるものですが)。



行脚日程


Angya 1 Aomori city. Aug, 2000  青森行脚

Angya 2 Kyoto, Galley Sowaka   Dec, 2000 京都行脚  ギャラリーそわか

Angya 3 Kagawa , Gallery Arte Jun,2001 香川行脚 、ギャラリーアルテ (丸亀)

Angya 4 Hyougo, Street Gallery  Sep, 2001 兵庫行脚 、ストリートギャラリー (神戸)

Angya 5 Nagoya ,KIGUTSU / Nmark  Apr, 2002 名古屋行脚 KIGUTSU / Nmark (名古屋)

Angya 6 Kanazawa Citizen's Art Center Apr, 2002  金沢行脚 金沢市民芸術村

Angya 7 Nagano, Nano Grafica  Jun, 2003 長野行脚、ナノグラフィカ (長野 )、長野市内

Syugyo Nagano 2003-2006 長野修行 開眼寺 

Angya 8 Aomori revolution, Museum of Art, Aomori  June, 2006 青森回帰 青森県立美術館「縄文と現代」展

Angya 9 Karlsruhe, ZKM (Germany), Thermocline of Art, カールスルーエ行脚 (ドイツ)

Angya 10 LA ,  Aug 2008 Royal/T, All of This is Melting Away, LA行脚

and so on.......



ST#293

HOU Following Piece

DVD
30 minutes

2010